紀年法
紀年法は、出来事の年月や前後関係を表す方法である。
この世界では、特別に扱われる少女が発生した時点を紀元として、出来事の年代を定める。基準となる少女は複数存在し、どの少女を基準とするかは場所によって異なる。
宗教が独自の暦を制定することもあるが、いずれも世界全体の標準にはなっていない。一方、始まりの少女ルクシアを起点とする特別な暦があり、特定の思想や信仰に依存しない年代表記として歴史書などで重用されている。
確認されていること
- 特別に扱われる少女が発生した時点を基準として年代を定める。
- 紀元の基準となる少女は複数いる。
- 用いられる基準少女は場所によって異なる。
- 宗教が独自の暦を制定することがある。
- 宗教暦は世界全体の標準にはなっていない。
- 始まりの少女ルクシアを起点とする特別な暦がある。
- ルクシアを起点とする暦は、特定の思想や信仰に依存しない年代表記として歴史書などで重用される。
- この暦では「XI.332」のように表記し、「XI」は「クシー」と読む。
- 少女には、発生から経過した時間としての暦年齢がありうる。
- 発生順は、共同体の歴史や証言を整理する際に意味を持ちうる。
基準少女の一人としてルクシアが確認されている。ほかの基準少女の名前、基準少女の総数、選定方法、それぞれの紀元の換算関係は、現在の記事群では確認されていない。
基準少女
基準少女とは、その少女が発生した時点を一つの紀元として扱われる少女である。
何をもって「特別」とされるかは一律ではない。共同体の始まりに関わった少女、地域で最初に記録された少女、発生地や学院などの成立に関わった少女、重要な出来事の証人となった少女などが候補として考えられる。
ただし、これらは選定理由の仮説である。基準少女が自らその立場を望んだか、存命であるか、後世に選ばれたかも分かっていない。
一人の少女を紀元とすることは、その少女に統治権、宗教的権威、年長者としての優越を与えることと同じではない。紀元は時間を参照するための基準であり、基準少女本人の意思や地位とは分けて考える必要がある。
複数の紀元
基準少女は複数いるため、同じ出来事が異なる紀元で記されることがある。
たとえば、ある地域では少女Aの発生後何年、別の地域では少女Bの発生後何年という形で、同一の出来事に別々の年代が与えられうる。少女Aと少女Bの発生時点の差が分かれば換算できるが、その差を示す記録が欠けていれば正確な対応はできない。
同じ名称の紀元が異なる少女を指すことや、一人の少女が複数の呼び名を持つことがあるかは未確定である。
地域差
どの少女を基準にするかは場所によってまちまちである。
地域別の紀元は、その土地で共有しやすい記録や記憶に基づくため、日常の約束、発生記録、少女の暦年齢、地域史を整理するには扱いやすいと考えられる。
一方、玻璃湖、交差点、学院、複数の発生地など、異なる地域にまたがる出来事を比較するときには換算が必要になる。どの組織または少女が換算表を管理するかは分かっていない。
記録員が複数の紀元を併記する可能性はあるが、記録員の職務として確認されてはいない。
年代の表し方
ルクシアを起点とする暦では、「XI.332」のように表記する。「XI」は「クシー」と読む。XIは始まりの少女ルクシアの名に由来する。
この表記は、特定の思想や信仰に依存しない暦として歴史書などで重用されている。依頼ではラテン語のような印象を持つものとして示されているが、この世界に現実世界のラテン語が存在することを意味しない。表記の造語法、成立した時期、誰が定めたかは未確定である。
「332」が起点からの年数を示すと考えられるが、年の数え方、年初、月日を併記する形式、起点となるルクシアの発生時点の記録方法は確認されていない。
ルクシア暦以外の具体的な表記形式は確認されていない。年代には少なくとも次の情報が必要になると考えられる。
- どの基準少女の紀元を用いるか
- その少女の発生からどれだけ経過したか
- 記録を作成した場所
- 別の紀元へ換算した値か、現地で記された値か
- 原資料か、後世の写しか
上記の「XI.332」という書式を除き、これは記録方法についての仮説であり、すべての紀元に共通する書式が実在することを示すものではない。
宗教暦
宗教が独自の暦を制定することがある。
宗教暦は、信仰上重要な少女の発生、教義上の出来事、発生儀礼の開始などを紀元とする可能性がある。繁灯信仰や静灯思想にも独自暦がありうるが、両記事に記された信仰名、教義、集団自体が創作仮説であり、実際に暦を持つことは確認されていない。
宗教暦が信徒の儀礼、祝日、追悼、発生を控える期間などに用いられる可能性もある。ただし、その具体的な運用は未確定である。
宗教暦が標準にならない理由
宗教暦が世界全体の標準になっていないことは確認されているが、その理由は確定していない。以下は説明のための仮説である。
信仰を共有しない少女にも基準を強いるため
宗教暦は、特定の信仰が重要とみなす少女や出来事を時間の中心に置く。信仰を共有しない少女にとって、その起点を日常の年代基準として受け入れる理由は弱い。
地域紀元がすでに実用的であるため
地域では、身近な基準少女を用いる紀元が記録や生活に定着している。宗教暦へ統一すると、古い記録、少女の暦年齢、地域の出来事をすべて換算し直す必要が生じる。
宗教ごとに起点が異なるため
複数の宗教がそれぞれ異なる少女や出来事を起点にすれば、一つの宗教暦だけを標準にすることは、他の信仰や地域の歴史を従属させることになりうる。
基準となる出来事の確定度が異なるため
宗教上重要な出来事には、後世の語りや教義上の解釈が含まれる場合がある。発生時点を複数の記録で照合できる基準少女に比べ、宗教的出来事の日時は共同体の外で共有しにくい可能性がある。
統一を決める中心がないため
世界全体の紀年法を決め、各地へ強制できる共通の権威が存在することは確認されていない。地域ごとの紀元が併存する状態そのものが、少女たちの歴史の残し方として受け入れられている可能性がある。
紀元の換算
異なる紀元を換算するには、二人の基準少女の発生時点を同じ記録内で比較できる資料が必要になる。
換算に使える可能性がある資料として、次が考えられる。
- 二人の発生をともに記した記録
- 同じ出来事へ異なる紀元で日付を付けた複数の記録
- 基準少女本人または同時代の少女の証言
- 地域間を移動した少女が残した記録
- 複数の紀元を併記した記録員の資料
これらの資料が実際に存在するかは確認されていない。
換算値が食い違う場合、どちらかを直ちに誤りとせず、原資料、写し、使用地域、基準少女の同定を分けて検討する必要がある。
年齢との関係
年齢を暦で表す場合、どの紀元を用いても、発生時点と現在時点を同じ基準で記せば経過時間を求められる。
ただし、別の地域へ移った少女について、発生記録の紀元を正しく換算できなければ、暦年齢にずれが生じる可能性がある。また、発生日を知らない少女や記録を失った少女は、紀元があっても暦年齢を確定できない。
暦年齢は、経験、知識、自立、関係の対等性を自動的に示すものではない。
年代誌との関係
少女世界年代誌では、絶対年代が分からない出来事について、前後関係だけを記すことができる。
複数の地域紀元が換算できれば、離れた場所の記録を一つの年代誌へ配置できる。一方、換算できない記録は、無理に単一の年表へ固定せず、使用された紀元と地域を添えて併記する必要がある。
仮説
以下は紀年法の運用に関する仮説であり、確定事項ではない。
- 基準少女の発生に立ち会った少女たちが、最初の年代記録を共同で残す。
- 基準少女が消滅しても、その紀元は地域で使われ続ける。
- 一つの場所が、用途によって地域紀元と宗教暦を使い分ける。
- 記録員は原記載の日付を消さず、別の紀元による換算値を追記する。
- 紀元の選択は、どの少女の記憶を共同体の中心に置くかという文化的な意味を持つ。
- 基準少女本人が、自分を紀元とすることを拒む場合がある。
未確定事項
- ルクシア以外の基準少女の名前と、基準少女の総数
- 基準少女が特別とされる条件
- 誰が基準少女を選ぶか
- 基準少女本人の同意が必要か
- 発生時点をどのように観測し保存するか
- 年や日に相当する時間単位
- ルクシア暦以外の年代表記
- 「XI」という略号の造語法と成立経緯
- 「332」の厳密な数え方と、月日などを併記する形式
- ルクシア暦が成立した時期と、それを定めた少女または共同体
- 地域ごとの紀元を換算する方法
- 換算表を管理する存在
- 基準少女が消滅した場合の扱い
- 一つの地域で複数の紀元が併用されるか
- 宗教暦の実例と起点
- 宗教暦と地域紀元を使い分ける規則
- 記録が食い違った場合の訂正方法
- ルクシア暦が具体的にどの地域・記録共同体まで通用するか